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毎日にわくわく と どきどきを

青春の一冊

書きたいことが上手くまとまらなかったので、今日はお題を。

 

特別お題「青春の一冊」 with P+D MAGAZINE
http://blog.hatena.ne.jp/-/campaign/pdmagazine

 

ここは退屈迎えに来て

ここは退屈迎えに来て (幻冬舎文庫)

ここは退屈迎えに来て (幻冬舎文庫)

 

高校時代のザ・青春ど真ん中!の時期の本ではなく、すこし青春を過ぎた大学時代に読んだこちらの本。

山内マリコさんの「ここは退屈迎えに来て」
ちなみにR-18文学賞を受賞しています。 

地方都市に生まれた女の子の、退屈な生活とそれを抜け出すための希望を描いた短編作品集です。

 

大学に入学した当初、すべてがキラキラ輝いて見えて、ここでわたしは新しい何かを見つけて劇的な変化を遂げるんじゃなかろうかなんて希望を抱いていたのだけれど、現実はそんなことなくて。キラキラしてみえた校舎は、三ヶ月もしたら灰色にどんよりと曇っていて、面倒臭いレポートや長々とおこなわれるサークルのミーティングや、慣れだした女の子たちのマウンティングをはじめようとする空気に嫌気がさして、「ああ、なんて退屈なんだろう」なんて思っていたのでした。

 

彼氏が出来れば、バイトを変えれば何かが変わる。誰かが自分をこの退屈な毎日から引っ張り上げてくれる、って信じて疑わなかった時期にこの作品と出会って、絶望と微かな希望を得た記憶があります。

結局、退屈な日常から脱するのは自分自身の問題で、誰かに引っ張り上げて貰おうという気概じゃ、彼氏ができたって環境が好転したってなにも変わらないんだなって思ったのでした。

 

そして衝撃的だったのは、R-18文学賞をとった本作の、女たちの奔放な、そして投げやりな性の書かれ方。まだ大学生で、たしかまだ身体を交えた経験のなかった私には、自分の性をやすやすと売ってしまう少女にも、どうでもいい男とずるずると関係を持ってしまう女性にも共感が出来なくて、未知の世界でした。読み終わった後も性描写に関しては「ふぅん」という感想しか出なかった気がする。

 

でも、ここへきて改めて読むと、「十六歳はセックスの齢」は、たしかにその時にわたしが感じたことをきちんと言葉にまとめてくれているなと思った。

「あたしはなんとかこの行為を、処女喪失というアンニュイな方向でまとめたいと思うけど、どう考えてもただただ間抜けでしかないのだった。ひたすら滑稽なあたしの大股開き、そして哀れな犬みたいな柴田くんの腰の動き。なにもかもが悲しい。そして気まずい」

この気まずさ、アンニュイかつ嬉し恥ずかしではまとめきれなかった、生々しい部分を上手く書いていて深くうなずいてしまう。

友人の相談を聞いていると、嫌いでもないけれど好きでもない男性とのだらだらとした関係も、あながち間違いでもないのかなと思うようになりました。

 

「君がどこにも行けないのは、車持ってないから」というタイトルは、いつみてもちくちくと心に刺さる。

大人と子供のはざまで、誰かが現状を変えてくれると希望を持っている高校生にも、上京してキラキラ街や人が自分を変えてくれるんじゃないかと期待に胸を膨らませている大学生にも、地方都市でうだつが上がらなくて毎日ただぼんやり過ごしているOLさんにも、「退屈」をふつふつと飼いならしている全ての女性に読んでほしい小説です。

 

そして、そんなアンニュイな女性の心理を知りたい男性もぜひ。

 

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